介護食とは?食事の種類や資格について解説します!

介護食とは?食事の種類や資格について解説します。介護食
介護食
このページの監修者
なぎさなおこ

株式会社フードコミュニケーション
代表取締役・食育料理家

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食事は介護を受ける方にとって楽しみのひとつでもあります。
介護食はそのような介護を受ける方に食事に楽しみを持たせつつも、栄養や食べやすさに配慮し提供する必要があります。
しかし、病院や介護施設などにとっては当たり前な介護食も、自宅で用意していくとなると調理だけではなく、栄養や形状、食べさせ方など通常の食事の支度よりも工夫が必要です。
今回は介護食の基本的な知識や種類と、介護食にまつわる資格について解説していきます。

介護食とは?

介護が必要な方へ対し、栄養や食べやすさを提供する食事のこと

高齢者など介護が必要な方へ対し、栄養や食べやすさなどを考慮したうえで提供する食事のことを介護食と呼びます。

介護を受ける方の体調や、食べ物を噛む力や飲み込む力はさまざまですので、1日に必要な栄養バランスを考えつつ、食材を細かく刻んだり、やわらかく煮て食べやすい硬さに調節したり、場合によってはゼリーやミキサーなどを使い飲み込みやすい形状にするなど、それぞれに合わせた状態で食事を提供する必要があります。

食事の楽しさも損なわないように

栄養や食べやすさを重視する一方で、食事へ対する楽しみも損なってしまわないようメニューを考えることも介護食においてとても大切なポイントでもあります。

健康な方にとっても食事をすることは楽しみのひとつであるように、介護を受ける方にとっても食事に楽しみを持てることで、肉体的だけでなく精神的にも満足することにつながります。

介護を受ける方の度合いにもよりますが、充分に動くことができず1日をベットの上で過ごす時間が長い方にとって3回の食事が楽しみとなるよう、介護食を用意してあげることが大切になるでしょう。

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介護食の基本種類

介護食の種類分けをするにあたり、「噛む力がどの程度残っているか」と「飲み込む力があるか」の度合いによって種類分けされています。

刻み食

刻み食はその名のとおり、食材を食べやすいように細かく刻んで提供する食事です。
刻むサイズは介護を受ける方の状況によって異なりますが、一般的には5ミリ程度から2センチくらいまでといわれています。

刻み食は噛む力と飲み込む力の両方が、どちらもある程度残っている場合でないと提供できません。
介護食のなかでも食材が固形に近い形で調理しますので、誤嚥などを防ぐためにとろみをつけるなどの工夫をするのもポイントとなります。

ソフト食

ソフト食は食材を舌や歯茎だけでもすり潰せるぐらいにやわらかくした食事のことをいい、刻み食に比べると、さらに噛む力や飲み込む力が弱い方にむけて提供する食事です。
軟菜食やムース食と呼ばれる種類もソフト食とひとつと定義されている場合が多いです。

ソフト食は、すり潰して食べれるようにやわらかく調理をするものの、食べ応えのために食材の形を残すような調理をしたり、一度ペースト状にしたうえで型などを使い固めるなど、調理には知識とノウハウが必要になってきます。

ミキサー食

ミキサー食とは噛む力と飲み込む力がかなり弱く、ソフト食でも食べることができないような場合に、食材を調理したあとに、出汁や水分を加えてミキサーを使い食材をポタージュ状にした食事のことをいいます。

上記で解説した刻み食やソフト食と比べると完全に食材の形はなく、食感や見た目にも刻み食・ソフト食よりも劣り、食欲をそそらなくなってしまう場合がありますので、提供する時の盛り付けなどの見た目にも気をつけることが必要になります。

ゼリー食

ゼリー食は飲み込む力がかなり弱く誤嚥の可能性がある方に適した介護食です。
介護の度合いにもより食材の状態は異なります。

飲み込む力がほとんど必要ない果物などのゼリーから、ムース状にした食材をゼラチンなどで固め、プリンや茶碗蒸し程度に飲み込みやすくしたようなもの、水分補給としてお茶やスポーツドリンクなどをゼリー状にしたものなどさまざまです。

介護食の種類の区分基準

おすすめの2つの指標

介護食の基本の種類として上記4種類を解説しましたが、どのくらいの介護状態の時にどの種類を使えばよいかなどを判断するのは難しく、特に市販品の介護食などを選ぶ場合にはわかりくいことがあります。

そのような介護食の区分の目安として、日本介護食品協議会が定めている「ユニバーサルデザインフード(UDF)」と、農林水産省が定めた新しい介護食の枠組みである「スマイルケア食」を参考に、介護食品の区分を見分ける指標にすることもおすすめします。

ユニバーサルデザインフード(UDF)

ユニバーサルデザインフードは、日本介護食品協議会が噛む力と飲み込む力を「容易に噛める」「歯茎でつぶせる」「舌でつぶせる」「噛まなくてもよい」の4つの区分に分け、食材のかたさの目安や状態をわかりやすく提示しています。

日本介護食品協議会会員である食品メーカーは、この規格に基づき商品を製造販売しており、市販の介護食のパッケージにもこの区分を表示しています。
参考:日本介護食品協議会

スマイルケア食

スマイルケア食は、日本介護食品協会のユニバーサルデザインフードと同じように、農林水産省が介護食品の流通拡大などに応じて、新しく介護食品の枠組みを整理した区分となっています。

スマイルケア食は、噛む力や飲み込む力を「青」「黄」「赤」の3つのマークで区分し、食事をする方の状態に応じて、さらに「黄2~5」「赤0~2」の8区分に分けて指標としています。
市販品でもこの8区分をパッケージに表示して販売している商品もあります。
参考:農林水産省

介護食に関連する資格は?

介護食士

介護食士は、公益社団法人全国調理職業訓練協会が認定している民間資格です。

医学的知識や高齢者の身体的特徴や心理、栄養学、食品学などを学び、介護食の提供などに役立つ資格となっています。

介護食士の資格は1~3級に分かれており、それぞれ必要な学科と講義の講習を受け修了試験に合格することで取得できます。

介護食アドバイザー

介護食アドバイザーは、一般財団法人 日本能力開発推進協会(JADP)と東京カルチャーセンターが認定している民間資格です。

介護食アドバイザーの履修科目は「高齢者の心理、栄養学の基礎知識、介護食の基礎知識、高齢期の病気と食生活」となっており、介護・医療・福祉関係だけでなく、飲食業界の方の知識としても協会が推奨している資格です。

認定団体により資格取得方法が異なります。
日本能力開発推進協会(JADP)認定の場合、認定カリキュラム修了後、検定試験合格により取得できます。
東京カルチャーセンター認定の場合は、検定試験がなく、認定カリキュラム修了と課題合格が取得要件となります。

詳しくは以下ページをご参考にしてください。

まとめ

今回は、介護食の種類や関連資格について解説しました。
介護を受ける方一人ひとりに合わせて、調理・食事を提供する必要があります。

介護食はご家族のためはもちろんのこと、さまざまな仕事にも役立つ内容となりますので、知識を身につけておいて損はないでしょう。
通信講座で学ぶことができますので、ご興味をお持ちの方は資料を取り寄せてみてはいかがでしょうか。

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