近年の健康志向の高まりで世の中には健康に関する情報や健康食品があふれ、食事にも気をつかう人が増えてきました。
そうした背景もあってか、最近では飲食店を中心に薬膳のニーズも高まりつつあります。
薬膳は、中医学理論をもとに食材と中薬を組合せた料理のことを指し、栄養や効能だけでなく味や形も楽しめる食養生の方法です。
今回は、この薬膳に関する知識を持つ「薬膳アドバイザー」という資格について、概要から学ぶメリット、資格の取得方法などを解説します。
上位資格についてもお話ししますので、薬膳に興味をお持ちの方、仕事に役立てたいとお考えの方は、ぜひ参考にしていただけると幸いです。
薬膳アドバイザーとは?
薬膳の初級知識を習得した証
薬膳アドバイザーは、日本中医食養学会が認定する民間資格です。
現在、世の中にはおいしく簡単に食べられる西洋食が豊富にありますが、そういった食べ物には化学調味料や食品添加物が多く含まれている場合もあります。
そして、それらはアレルギー体質や肩こり、更年期障害、冷え性などの不調を引き起こすともいわれています。
西洋医学ではなかなか改善の難しいこれらの症状ですが、薬膳であれば日々の生活のなかで改善が見込めます。
これは薬膳がすべての食べ物がもつ性質を考え、その食べ物がもたらす作用を積極的に利用して体質や体調にあった食事をするものだからです。
薬膳アドバイザーは、こうした考え方のもと薬膳を学び、初級の知識を身につけたと認められる人に授与される資格なのです。
参考:日本中医食養学会
薬膳アドバイザー資格を取得するメリットとは?どのような仕事に活かせる?
メリット多数!家庭やさまざまな仕事に活かせる!
薬膳アドバイザーの資格を取得することで、初級の薬膳知識とともに簡単な薬膳料理を提供できる実力を持っていることが証明されます。
そのため、この資格はさまざまな場所や仕事で役立てることができます。
ここではその一部をご紹介します。
●家庭で活かす
毎日の生活のなかで食事は欠かせないものです。
身につけた薬膳の知識を活かし、体質や体調にあった食事を毎日続けることで自身や家族のさまざまな不調や病気の予防・改善が見込めます。
●飲食店や食品関連の企業で活かす
健康志向の人が増えてきている今、健康的でおいしい食事の需要は高まってきています。
飲食店で新メニューを開発したり、食品関連の企業で商品開発に役立てたりすることができます。
●現在の仕事で活かす
栄養士などの飲食に関する仕事の方はもちろん、それ以外にも整体師やエステティシャンなど、健康や美容に関わる仕事の方がこの資格を取得することで、食事の面からも体質改善のためのアドバイスやコンサルティングができるようになります。
●講演会やセミナーなどの講師として働く
正しい知識を身につけることで薬膳の考え方が理解でき、薬膳と健康に関する講演会・セミナーなどで講師として活躍できるでしょう。
●アスリートのサポートに活かす
アスリートにとっても食事は重要なものです。
試合にあわせて最高のコンディションに導くためにも薬膳の知識は役に立ちます。
薬膳アドバイザー資格の取得方法は?独学で取得可能?
講座受講が必要なため、独学では取得できない
薬膳アドバイザーの資格は独学だけでは取得できません。
下記いずれかの講座を受講し、指定カリキュラムの履修が必須となります。
(1)日本中医学院の日本中医食養学会が主催の「薬膳初級講座」を受講する
(2)日本中医食養学会認定の講座を受講する
(2)について、日本中医食養学会が認定する通学講座は数多くあります。
通学が難しい方には、通信講座での学習がおすすめです。
次項目で詳しくご紹介していきます。
認定の通信講座をご紹介!課題合格により資格が取得できる!
前述のとおり、薬膳アドバイザーの資格を取得するためには認定講座の受講が必須とされています。
ここでは、その認定講座である東京カルチャーセンターの「薬膳アドバイザー養成通信講座」について学習内容や学習の進め方、取得までの流れをご説明します。
この講座は3冊のテキストとその他の教材を使用し、自宅にいながら薬膳の基礎知識から年齢・性別・症状・原因・季節別の実践力までを体系的に身につけられるカリキュラムとなっています。
なお、標準学習時間は4ヶ月で、週1回1日30分が学習の目安とされています。
≪取得までの流れ≫
●1ヶ月目:テキスト1「薬膳の基本と中医学」
薬膳の基本を理解し、実践できるようになるための下地づくりの期間です。
薬膳に関する基本的な考え方や言葉の意味、中医学との関係性をはじめ、現代栄養学や西洋医学との違いなどを学びながら診断法も身につけられるようです。
●2ヶ月目:テキスト2「食材・生薬の知識」
食材・生薬の知識とともに処方の理論を学ぶことで、実際に薬膳を活用できるようになるための知識を身につけます。
このテキストには150種類もの食材と生薬の効能とその適応性、レシピなどが掲載されています。
●3ヶ月目:テキスト3「体質・症状別薬膳の実践」
薬膳を実践していく力をつけるために、その人の体質や症状に応じた処方を学びます。
胃痛や風邪などをとりあげ、症状の原因別、体質別のおすすめの食材や生薬を学びます。
また、それらを使った食事のつくり方も覚えていきます。
●4ヶ月目:総復習
これまでの3ヶ月で学んだテキストの1~3を総復習します。
この講座では、1ヶ月目から4ヶ月目まで学習到達度を確認するために毎月課題を提出し、添削指導を受けます。
質問は随時受けつけられます。
全4回すべての課題に合格すると修了証の申請が可能になり、修了証が発行されます。
薬膳アドバイザー資格の取得費用や難易度は?
資格取得を検討するにあたり、気になる費用や難易度は以下のとおりです。
●取得費用
・2021年度薬膳初級講座の受講料:191,780円(税込・入学金等を含む)
・薬膳アドバイザー養成通信講座の受講料:39,800円(税込)
※分割払いの場合、総額が異なります。
※修了証の発行には、別途費用がかかります。
日本中医食養学会認定の講座は数多くあり、教育機関により受講料は異なります。
あらかじめ公式ホームページなどで確認することをおすすすめします。
●難易度
カリキュラムを受講し全課題に合格すれば資格取得となり、認定試験はありません。
しっかりと学習に取り組めば、難易度はそれほど高くはないでしょう。
薬膳アドバイザー取得後は上位資格が目指せる!
上位資格取得の流れをご紹介
薬膳アドバイザー資格を取得後は、さらに上位資格を目指すことが可能です。
段階を踏んで資格を取得し、より専門性を高めプロとしての活躍が期待できます。
(1)日本中医食養学会の「薬膳初級講座」を受講する場合
:薬膳アドバイザー →中医薬膳指導員・中医薬膳調理師 →国際中医薬膳師・国際薬膳調理師
(2)東京カルチャーセンターの「薬膳アドバイザー養成通信講座」を受講する場合
:薬膳アドバイザー →中医薬膳指導員 →国際中医薬膳師
【各資格の概要】
●中医薬膳指導員
知識を身につけ試験に合格すると、日本中医食養学会より認定証が発行されます。
規定の会場で受験できます。
◆認定条件
・中医学の基礎理論、理論に基づく中医営養学・薬膳学を履修する
・基本的な弁証施膳が実践できる
・認定試験に合格する
◆受験資格
以下のいずれかを満たす者
(1)日本中医食養学会主催の「薬膳初級講座」を履修する
(2)日本中医食養学会に登録している教育機関において、60時間以上の講習を履修する
※「薬膳アドバイザー養成通信講座」修了の場合は、40時間以上の履修で認められます
●中医薬膳調理師
中医薬膳指導員の条件に加えて、調理師の資格を保有していることが受験資格となります。
知識を身につけ試験に合格すると、日本中医食養学会より認定証が発行されます。
●国際中医薬膳師 ●国際薬膳調理師
どぢらも中国中医薬研究促進会による公認資格で、薬膳に関する国際資格です。
試験会場は日本中医学院のみとなり、試験に合格すると日本中医食養学会より認定証が発行されます。
※中国中医薬研究促進会:中国政府直轄の中国伝統医学に関する最も権威ある学術研究団体。
国際中医薬膳師は、日本国内における薬膳師の最高位資格と位置付けされています。
国際薬膳調理師は、調理師のさらなる技術認定の証明とされています。
◆受験資格
以下すべてを満たす者
(1)中医薬膳指導員・中医薬膳調理師の資格を保有している
(2)日本中医食養学会主催の初級講座を履修する(30時間)
(3)学会主催の追加講習を履修する(30時間)
(4)大学主催の追加講習を履修する(国際中医薬膳師コースは30時間、国際薬膳調理師コースは10時間)
国際薬膳調理師の場合、上記に加えて調理師の資格を保有していることが受験資格となります。
まとめ
今回は薬膳アドバイザーの概要や資格取得方法などを紹介してきました。
薬膳を用いて健康管理や体調改善に役立つ知識やレシピが学べます。
ご家庭はもちろんのこと、さまざまな仕事にも活用できますので、資格取得を検討されてみてはいかがでしょうか。
資料の取り寄せは無料ですので、まずは資料をご覧になってみてはいかがでしょうか。
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