製菓衛生師とは?資格の取得方法・試験・合格率について解説します!

製菓衛生師ってどんな資格?資格の取り方と取得メリット パティシエ
パティシエ
このページの監修者
FONTE編集部

食や栄養は年齢やそれぞれの状況に応じて必要な栄養や食べ方が異なるもの。ご自身やご家族のためにより良い食生活を送ろうとしている方に食に関する学び情報をわかりやすく発信して少しでもお役に立てれば幸いです。

食に関わる資格のなかでは調理師などが有名ですが、製菓衛生師はお菓子作りに特化したプロフェッショナル資格のひとつです。

この記事では、製菓衛生師の資格について総合的に解説します。
資格の取得方法試験内容合格率取得メリットなどもご紹介しますので、パティシエや菓子職人を目指したいとお考えの方はぜひ参考にしてください。

製菓衛生師とは?

都道府県に免許を受けた国家資格

製菓衛生師の資格は、菓子製造業に従事する場合において都道府県知事より免許を受けた人だけが名乗ることができる国家資格です。
名称独占資格と呼ばれる国家資格であることから、免許を受けていない人が「製菓衛生師」や似た名称を名乗ることはできません。
製菓衛生師はお菓子などの製造における技術や知識だけでなく、公衆衛生に関しての知識などをもっていることを証明しています。

製菓衛生師資格の取得方法は?

菓子製造の実務経験または養成施設の卒業が必要

製菓衛生師の資格を取得する流れは、以下の3ステップです。

1.菓子製造業の実務経験、または製菓衛生師養成施設の卒業
2.製菓衛生師資格試験に合格する
3.都道府県知事より免許を受ける

資格取得への1ステップ目として、菓子製造の実務経験または養成施設の卒業が必要となります。取得を目指してから最低でも1年以上はかかります
それぞれご紹介します。

1.実務経験を積んでから試験を受ける場合

養成施設などに通わずに製菓衛生師の試験を受ける場合、2年以上の菓子製造の実務経験が必要となります。
実務経験となる施設は、主に以下の施設を指しています。

  • 菓子製造業
  • 複合型そうざい製造業のうち菓子の製造を営むもの
  • 複合型冷凍食品製造業のうち菓子の製造を営むもの

2年の実務経験になるには、上記の施設で週4日以上かつ1日6時間以上勤務している必要があります。
複数施設の合計で2年以上になる場合も実務経験と認められます。
上記の施設であっても、事務や営業など菓子製造に関わらない業務は2年に含まれません。

2.製菓衛生師養成施設を卒業してから試験を受ける場合

製菓衛生師の養成施設を卒業する場合を見ていきましょう。
製菓衛生師養成施設で学ぶ内容は、以下の科目と授業時間が厚生労働省より必須科目と定められています。(8科目合計で930時間以上)

衛生法規30時間以上
公衆衛生学60時間以上
食品学60時間以上
食品衛生学120時間以上
栄養学60時間以上
社会30時間以上
製菓理論90時間以上
製菓実習480時間以上

厚生労働省より認定を受けている製菓衛生師の養成施設は全国に131ヶ所(令和4年3月14日時点)あり、大学・短期大学・専門学校・高等学校の種類があります。
養成課程も昼間課程・夜間課程・通信課程とさまざまで、在学している期間も1年~4年と学校の形態やカリキュラムにより異なります。

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製菓衛生師の資格試験について

製菓衛生師試験の受験資格

製菓衛生師資格の試験を受験するには、次のどちらかの条件を満たしている必要があります。

1.中学校を卒業し、2年以上の菓子製造の実務経験がある者

2.製菓衛生師養成施設の卒業

詳しくは前項で解説したとおりです。

製菓衛生師試験の試験内容

製菓衛生師試験の試験科目は以下の7科目です。

1.衛生法規
2.公衆衛生学
3.食品学
4.食品衛生学
5.栄養学
6.製菓理論
7.製菓実技(「洋菓子」「和菓子」「製パン」の分野選択)
※製菓理論と製菓実技をあわせて1科目とし、全6科目としている場合もあります。

上記科目がマークシート方式、または番号の選択形式でおよそ60問出題されます。(問題数は都道府県により異なる場合があります。)
試験は都道府県単位でおこなわれますので、試験内容も受験する都道府県により異なりますが、上記の科目は統一されています。

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製菓衛生師試験の合格率は?独学での取得は可能?

独学でも可能

製菓衛生師試験の合格率は都道府県によって異なります
東京都の令和4年度の試験結果を例にみてみると、受験者数774人に対し合格者565人で合格率は73.0%となっています。
年度により異なることもありますが、合格率の開示をしているその他の地域をみても、60%〜80%ほどの合格率となっている地域が多くなっています。

実務経験を積んでから受験をする人も多くいることから、合格の割合をみても独学で試験に合格し資格を取得することも十分可能といえるでしょう。

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製菓衛生師とパティシエ・菓子製造技能士との違いは?

パティシエは職業の名称

お菓子作りというとパティシエの資格と比較されることが多いですが、日本国内にはパティシエの名称がつく国家資格は存在しません

パティシエの語源はフランス語で「菓子製造人(男性形)」を意味しており、日本においては、お菓子作りをする職業名称のことをおもに指していることになります。
パティシエになるために資格は必須ではありませんが、パティシエの職業についている方が製菓衛生師の資格を所持しているケースが多くなっています。

菓子製造技能士も国家資格

製菓衛生師と比較される資格として、菓子製造技能士の資格があります。

菓子製造技能士は厚生労働省がおこなっている技能検定制度のひとつです。
さまざまな技術職に対して習得レベルを認定する国家検定制度で、合格することで「技能士」を名乗ることができるようになります。

菓子製造技能士の資格には1級と2級があり、和菓子製造と洋菓子製造の2分野に分かれています。
製菓衛生師と同様に、一定期間の実務経験や養成施設の学歴が必要となりますので、だれでも受験ができるわけではありません。

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製菓衛生師資格を取得するメリット

菓子製造の職に就く場合は有利になる

製菓衛生師の資格を取得するメリットはさまざまありますが、菓子製造の仕事に就く場合のメリットが一番大きいでしょう。

パティシエや和菓子職人、パン職人などの仕事に就く場合、必須の資格はありません
しかし、製菓衛生師の資格を所持していることで、お菓子作りの技術や知識だけでなく公衆衛生や食品の安全についての知識などがあることの証明となり、採用側の企業やお客さんに対しても大きな安心につながることが大きなメリットになります。

お菓子作りやパン作りの仕事をしたい人以外にはあまり縁のない資格となりますが、その道に進みたい人にとっては製菓衛生師の資格を取得することのデメリットはないといってよいでしょう。

食品衛生責任者の講習が免除になる

製菓衛生師の資格を所持している場合は、食品衛生責任者資格を取得するための講義受講が免除されます。
飲食業の店舗の営業許可を得る際、店舗には必ず食品衛生責任者を選任することが義務付けられています。
特に自分でお店を開業したい場合などは自身を選任でき、受講の手間も省けますので製菓衛生師の資格を取得するメリットのひとつとなるでしょう。

まとめ

製菓衛生師資格を取得することで、就転職や開業に有利になることがおわかりいただけたと思います。

資料の取り寄せは無料ですので、製菓衛生師に興味をお持ちの方は、資料をご覧のうえ、資格取得を検討されてみてはいかがでしょうか。

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