私たちを取り巻く食生活は時代とともに大きく変化し、インスタント食品や加工食品など手軽においしく食べられるものが増えてきました。
しかし、その一方でそれらに含まれるアレルゲン食物が原因とされる食物アレルギーを持つ子どもたちが増加しています。
食物アレルギーはひどくなると呼吸困難や意識障害など命にかかわる大変な事態を引き起こします。
食物アレルギーを持つ子どもたちをそれらの脅威から守るためには正しい知識が必要です。
そこで、今回は食物アレルギーやアレルギー対応食に特化した資格である「アレルギー対応食アドバイザー」についてご紹介します。
アレルギー対応食アドバイザーとは?
食物アレルギーの対応食に関する知識とスキルを持った証明
「アレルギー対応食アドバイザー」は、一般財団法人 日本能力開発推進協会(JADP)が認定する民間資格です。
子どものアレルギー対応食に関して正しい知識を身につけたことを証明するこの資格は、職業能力の向上および社会経済的地位の向上に貢献することを目的としています。
この資格を取得する人は食物アレルギーの基礎や除去の方法などの知識のほか、アレルゲンになりやすい牛乳や鶏卵、小麦を使用しない献立のつくり方や調理を学んでいきます。
また、保育所や学校、医師との関わり方のほか、子どもと上手にコミュニケーションを取る方法や料理教室の運営ノウハウも学びます。
アレルギー対応食アドバイザーは、正しい知識をもとにアレルギー対応食を実践し、アレルギーに悩む子どもや保護者をサポートできる頼もしい専門家なのです。
アレルギー対応食アドバイザー資格の取得方法とは?
講座を受講し、試験に合格すると取得できる!
アレルギー対応食アドバイザーの資格は、JADPが指定する認定教育機関などでおこなわれている講座を受講し、検定試験に合格することで取得できます。
ここでは「資格のキャリカレ」が開講している「アレルギー対応食アドバイザー資格取得講座」を例にあげ、実際のカリキュラムや学習内容をご説明します。
●カリキュラム
この講座は自宅で受講が可能です。
資格取得までの学習期間は、1日20分の学習で3ヶ月が目安とされています。
●学習内容
<1ヶ月目>
食物アレルギーの原因食材や症状、検査方法など、食物アレルギーについての基礎知識を身につけます。
食物アレルギーの種類と検査、年齢との関係などの基本と実態を学んだあとは、食物アレルギーの対処法や食事療法(食餌療法)、注意点など実践のための知識も身につけます。
また、教育機関や医療機関とのコミュニケーションの取り方、緊急時の対応についても学びます。
<2ヶ月目>
アレルギー対応食の実践例を学びます。
食物別アレルギーの特徴を中心に学んだあと、食品表示や献立づくりのポイント、調理のポイントを学び、代替食品の栄養素についても学習していきます。
アレルギーの原因となる食品を除去するだけでなく、栄養バランスにも考慮したレシピづくりといった実践力も身につけます。
また、アレルギー対応食からそれらの解除に向かうための食事の進め方も学びます。
<3ヶ月目>
アレルギー対応食が実践できるようになります。
一般の食事をアレルギー対応食に変換する方法、アレンジ方法、おいしく作るコツなどを学びます。
代替食品として一般的な米粉、豆乳、じゃがいもについての基礎知識を習得し、一般の食事に引けを取らないおいしい食事が作れるようになります。
学習期間中は毎月添削問題を提出し、指導を受けます。
検定試験も自宅で受けられるため丸暗記の必要がなく、忙しい方でも安心して受験が可能といえます。
アレルギー対応食アドバイザー資格の取得費用や難易度は?
資格の取得にかかる費用や難易度が気になる方も多いのではないでしょうか。
取得を検討するにあたり、以下ご参考になれば幸いです。
●取得費用
・認定講座の受講料:41,800円(税込)
※インターネットからお申し込みの場合
※分割払いの場合、総額が異なります。
・検定試験の受験料:5,600円(税込)
●難易度
カリキュラム修了後、在宅で試験を受けます。
テキストを見ながら受験可能なため、難易度は低いといえるでしょう。
70%以上の得点率で合格となります。
アレルギー対応食アドバイザー資格の取得メリットとは?
家庭や仕事に幅広く役立つ
アレルギー対応食アドバイザーの資格を取得するメリットは多数あります。
ここではその一部をご紹介します。
●代替食材を使用した安全な食事が作れる
アレルギー対応食についてさまざまな知識や調理のコツを学べるため、代替食材の選択や手早く調理することが容易になります。
調理をする人の負担を減らしながら、食物アレルギーのある子どもにもバランスのとれたおいしく安全な食事を提供することができます。
●食物アレルギーの子どもたちが安心して学校生活を送れる
食物アレルギーを正しく知り、判断ができるようになることで学校や保育施設とも的確な情報共有が可能になり、子どもたちのアレルギーリスクを減らせます。
●アレルギー対応食の料理教室が開ける
食物アレルギーのお子さんをもつお母さんはたくさんいます。
資格所持者が指導をすることでお母さんたちも安心してアレルギー対応食を学ぶことができ、子どもたちにおいしく安全な食事を食べてもらえるようになります。
●仕事に役立てることができる
アレルギー対応食アドバイザーの資格は食物アレルギーについての知識と実践力を身につけた証明です。
そのため、保育や教育、給食などに携わる仕事において、自信を持って役立てることができるでしょう。
まとめ
アレルギー対応食アドバイザーについて、資格の概要や取得方法などを紹介してきました。
食物アレルギーをもつお子さんやお母さんに大変役立つ内容ということが、おわかりいただけたのではないでしょうか。
アレルギー対応食アドバイザー以外にも、食物アレルギーに関する資格は数多くあります。
ご興味をお持ちの方は以下ページをご覧ください。
関連記事:食物アレルギーに関連する資格とは?種類や活かせる仕事について紹介します!